トップ >> 警備に関わる法知識 >> 警察官職務執行法と消防法
警備業務に従事する際に事故などが発生した場合、警備員は被害の拡大を防止するための活動を行うことになります。最終的には現場を警察官に委ねることとなりますが、その際には警察官から何らかの質問を受けたり協力を求められたりする可能性があります。
場合によっては、警察官と共同で作業を行うこともあり得るのです。その際にスムーズな活動を行うためにも、警察官の法的権限について精通しておく必要があります。
療養給付、傷病給付、障害給付、遺族給付、葬祭給付、休業給付
火災の発生を防ぎつつ、火災が発生した場合にはその被害を最小限に留めるため、必要な対策を立てて実行することを防火管理といいます。
消防法の第8条によれば、多数の人々を収容する建造物においては、防火管理の業務を完全なものとするため防火管理者を定め、所轄消防長または消防署長に選任の届出を行い、各種防火管理に係わる業務を行う必要があります。
警備業務に従事していれば、警察の係わる事件・事故以外に火災事故などの災害現場に遭遇する可能性もあります。業務を行う施設の大半は上記の防火管理を行っているものと考えられますが、警備員は万が一のときのために、消防法にも精通して積極的に防火活動に協力しなければなりません。
(消防法 参照条文)
「火災発見者の通報義務、通報協力義務」
第24条 火災を発見した者は、遅滞なくこれを消防署又は市町村長の指定した場所に通報しなければならない。
2.すべての人は、前項の通報が最も迅速に到達するように協力しなければならない。
火災発生時の通報は、広く国民の義務であると考えられますが、それを怠ることによる罰則はありません。しかし警備業に従事する者であれば、積極的な通報を心がけるべきでしょう。また、虚偽の通報を行った場合には30万円以下の罰金または拘留に処せられます。
(消防法 参照条文)
「火災発見者の通報義務、通報協力義務」
第25条 火災が発生したときは、当該消防対象物の関係者その他総務省令で定める者は、消防隊が火災の現場に到着するまで消火若しくは延焼の防止又は人命の救助を行わなければならない。
2.前項の場合においては、火災の現場附近に在る者は、前項に掲げる者の行う消火若しくは延焼の防止又は人命の救助に協力しなければならない。
3.火災の現場においては、消防吏員又は消防団員は、当該消防対象物の関係者その他総務省令で定める者に対して、当該消防対象物の構造、救助を要する者の存否その他消火若しくは延焼の防止又は人命の救助のため必要な事項につき情報の提供を求めることができる。
警備対象施設などから火災が発生した場合、警備員は「関係者」または「命令で定める者」に該当し、警備対象施設の付近で火災が発生した場合には「火災の現場附近に在る者」に該当します。 よって警備員は火災発生の際に初期消火や延焼の防止、人命の救助などの活動に協力しなければなりません。
また消防局員より現場施設についての情報提供などを求められる場合があります。積極的に協力してください。施設の設備状況、内部構造などは消火活動にとって貴重な情報です。 そのため普段より警備対象施設に関する情報を収集しておく必要があります。
(消防法 参照条文)
「火災発見者の通報義務、通報協力義務」
第29条 消防吏員又は消防団員は、消火若しくは延焼の防止又は人命の救助のために必要があるときは、火災が発生せんとし、又は発生した消防対象物及びこれらのものの在る土地を使用し、処分し又はその使用を制限することができる。
2~4(省略)
5.消防吏員又は消防団員は緊急の必要があるときは、火災の現場附近に在る者を消火若しくは延焼の防止又は人命の救助その他の消防作業に従事させることができる。
消防吏員とは、市町村の消防本部において階級を有する消防職員のことを指します。一般的には「消防官」もしくは「消防士」という用語で呼ばれることが多いのですが、法律上の身分は「消防吏員」となります。消防吏員は消火活動上の必要がある場合に以下の活動を行えます。
警備員は対象施設、もしくはその付近で火災が発生した際に「火災の現場附近に在る者」に該当します。こうした場合、消防吏員に積極的に協力し、被害拡大を防止し、人命の救助にあたらなければなりません。第5項には消防吏員の指示が「消火」「燃焼の防止」「人命の救助」「その他の消火活動」を規定されています。
しかし、実際の火災現場で警備員が行うべきことは他にもあります。消防隊の敷地内進入の誘導、消火栓付近の不要物の排除、避難誘導、逃げ遅れた者の確認、施設内危険物の確認、そして施設内情報を消防吏員に伝えること―このように、現場の状況に合わせた臨機応変な対応が求められます。
消防吏員と警備員が互いに協力し合うことで、被害を最小限に食い止めることができるでしょう。
第5項の規定はあくまで「要請」であり、法的な義務が生じているわけではありません。しかし、施設の立地や内部構造などを熟知した警備員が消防吏員に協力するのは社会通念と照らし合わせても当然の行為であるといえます。 またこの第5項の要請に応じなかった場合でも、消防法による罰則の規定はありません。しかし軽犯罪法第1条第8号に該当することとなりますので、要請の拒否に悪質なものがあった場合には罪を問われることがあります。